カナダに4台
カナダに4基
カナダのバイオ乾燥機
日本と米国のプロ野球では、バイオ乾燥したハードメイプルが使用されるようになります。
カナダの最大都市トロントから車で1時間。ハードメイプルで有名なシェルバーン地方に入ります。
4台のバイオ乾燥機を発注した会社はシェルバーン地方の大手製材会社。
弊社は、材料の購入から建造全般を指導するため研究所所長(北軽井沢)の福薗を単身でシェルバーンに派遣した。
発注者は通常の大手製材会社と異なり、ピアノ(ヤマハ)、バイオリン、高級車(トヨタ)のハンドルなどの材を広い市場に供給している。
バイオ乾燥機の導入の目的は、ハードメイプルによるプロ野球用のバット材を日米に供給することである。ニューヨークヤンキースの松井氏はここのメイプルバットを使用していた。
福薗は、材料の購入から、製造の指導、乾燥方法のアドバイスを行った。
材料は、全てをカナダ国内で調達するため材料集めに1か月を要した。その後、1か月間でカナダ人大工さん4名と一緒に4台を完成させた。
完成後、バイオ乾燥機の製造に関わった仲間たちから、福薗に感謝状と記念品が贈られた。
完成した4台のバイオ乾燥機。一番左が開発者の伊藤、右から二人目が大手製材会社のオーナー氏。
この会社のハードメイプルは元ニューヨークヤンキースの松井選手が使用していた。
設定温度は35℃。硬くて、割れが入りやすくて、乾燥が難しい広葉樹を含水率が1か月で平均8%以下に乾燥させるのが4台の基本仕様である。そして、これが日米のプロ野球バット材の条件でもある。
福薗は1か月間の乾燥実施後、全材料の含水率を計測。8%以下の含水率を確認した。
バットの乾燥は極めて難しい問題がある。まず、人気No.1のアオダモは乱伐で入手困難。他の広葉樹は乾きにくい。天然乾燥では数年を要する。そこで松井選手が使用していたカナダのハードメイプルをバイオ乾燥機で乾燥することになった。乾燥期間は約1カ月。含水率は4~6%。日米のプロ野球用である。