日本強靭化木材
2023年1月1日
強 靭 化 木 材
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近未来の東京大地震・南海トラフ巨大震災への備えに
「強靭化木材」の主なユーザー名
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「強靭化木材」とはどんな木材ですか?
強靭化木材は、「①細胞が破壊されにくい、②虫の被害を受けにくい、③割れにくい、④曲がりにくい、⑤燃えにくい」の5機能を持つ世界初の木材として、今日では「国産の強靭化木材」として輸出が始まりました。
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「浜離宮・恩賜庭園松の茶屋」の復元工事を実行された「郷建設株式会社」豊中邦嗣代表
強靭化木材を語る(1)
強靭化木材を語る(2)
平成25年5月5日、NHK番組「檜舞台にかける男たち」に 強靭化したバイオ乾燥材 が紹介されました
NHKで、バイオ乾燥材が使用された浜離宮・松の茶屋の内部が紹介されました。
完成した浜離宮・松の茶屋
完成式典にて。浜離宮にバイオ乾燥材を入れたバイオ乾燥機ユーザー(5社)の皆様。中央は開発者の伊藤隼夫
右端は開発者の伊藤隼夫
強靭化木材は、35℃のドブ漬けで人畜無害の強靭化薬液を注入します。その後、バイオ乾燥機の中で35℃乾燥を行います。
強靭化木材の製造過程では、ドブ漬け後の乾燥過程も含めて、一切、細胞破壊はありません。これが強靭化木材の特徴です。
最後は、プレナー仕上げを行って美しい「強靭化木材」になります。
奈良時代の木材乾燥は、細胞破壊から守る天然乾燥工法でした。
古書に、奈良時代の木材乾燥方法が書かれていました。
竹林の真ん中に竹を伐採して広い空間を作り、そこに乾燥工場を作ったそうです。工場は柱と茅葺の屋根だけで、極めてシンプルな作りです。そこに伐採直後の皮を剥いだ丸太を整然と並べて、大きさにより、5年、10年、20年の歳月をかけて乾燥させたとのことです。
乾燥の条件は、第1に雨や太陽光(直射日光)を当てないこと(その為に茅葺屋根がある)、第2に強い風を当てないこと(竹林の中で風がそよそよと流れる環境)、第3に地面(床)に水が溜まらないような構造になっていること。
ここには、細胞破壊を防ぐ様々な工夫が見られます。直射日光を避ける(紫外線や赤外線から細胞を守る)、直接の風を当てない(樹皮に守られて育った木の細胞は生きていた間は一度も風に当たったことがない、風が細胞に当たることで細胞破壊が起こる)、床下をじめじめさせない(細胞をウイルス、細菌、カビから守る)。これらは天然乾燥の基本条件と言えます。
こうして、1300年後の今日でも、腐食あるいは細胞破壊されないで当時の木質建造物が残っている。
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また、天然乾燥材を飛躍的に改善できる技術があります。
天然乾燥+バイオ乾燥
左が天然乾燥中の材、右が仕上げに使用するバイオ乾燥機。
天然乾燥は自由水を放出するのが主目的で、初期含水率にもよるが、それでも角材では2年以上を要し、それでも含水率は20%前後にまで下がる。
しかし、結合水がまだ残るので、含水率を15%前後にまで落とすのに更に半年を要する。
結合水の放出を容易にするのがバイオ乾燥機。含水率が20~30%まで下がった天然乾燥の角材をバイオ乾燥機で仕上げ乾燥をすると、1週間前後で含水率は15%まで下がる。
これが天然乾燥とバイオ乾燥のハイブリッド方式乾燥です。
あるいは、
バイオ乾燥だけの乾燥をします。
バイオ乾燥機
天然乾燥をしない生材をバイオ乾燥機で乾燥させる場合は、初期含水率にもよるが、蒸気高温乾燥の約2倍の乾燥時間を要します。
これでは生産性が下がると理解されるユーザーには、バイオ乾燥機の躯体を2倍以上(正しくは材積量が2倍となる)の大型バイオ乾燥機を推奨しています。それでもコストは蒸気高温乾燥機あるいは中温乾燥機の1/4以下です。
(左:東大寺総合文化センターの正面。右:同センターの金鐘ホール内。)
浜離宮
(左:浜離宮・松の茶屋 右:バイオ乾燥処理材が見える建造中の内部構造)
文科省、宮内庁あるいは県管轄の社寺仏閣、国宝・文化財建造物、博物館、美術館などに文化財などを収蔵、管理、保存する収蔵庫があります。収蔵庫には高温処理木材は採用不可です。バイオ乾燥材が主に使用されています。
4)収蔵庫のバイオ乾燥材
>> 収蔵庫工事
(大型収蔵庫に納品したバイオ乾燥機仲間達が完成の出来栄えを検証しています。)
(上:バイオ乾燥のフローリング床材のブナは全て含水率8~10%、下:東京の文化財関連ビルの一室と、床工事終了後の有機酸放散テスト状況)
広葉樹の
銘木・家具・建具のバイオ乾燥
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