檜舞台にバイオ乾燥材
歌舞伎座の「檜舞台」に
本舞台、花道、各部屋などの床にはバイオ乾燥の檜が採用されました。
(1)「檜舞台」のヒノキ伐採現場
丹沢の檜
丹沢の百年檜
神奈川県丹沢の百年檜。当社(日本強靭化木材株式会社グループ)は2009年から2年間、東大寺の総合文化センター建造の大掛かりな仕事を大林組から請けたときに、日本中の良質な檜産地を1年間、調査して歩いた。その中でも地形的に、水質的に、細胞形成において、価格的においても、これらを総合的に判断して最良と思われる檜を決定したのが丹沢檜であった。
(神奈川県丹沢)百年檜の伐採現場
百年檜の葉枯らし乾燥
伐採後に1本ごと検証
集材
搬出
神奈川県の丹沢檜の特徴
a: 地形:樹木の育成に極めて適した地形である。丹沢は、他の地域の檜産地と異なり、子供の遠足や家族のキャンピングに使われるほどで、険しい山地でないがため、全地域が豊富な腐葉土で形成されている。これは、森林生態系において地上部の植物により生産された有機物が朽木や落葉・落枝となり地表部に堆積し、大小様々な土壌動物による生化学的な代謝作用により分解された土が丹沢には豊富であることが特徴である。そういう点では丹沢檜の生育地が、肥沃な土地で形成されている里山と類似しているとも言える。
なだらかな丹沢
b: 水が適切に豊か:丹沢のいたる場所に小川があり、水が豊富である。一般的に檜の植林地は高所にあり、地形は割と険しく、根の周りに水が少ない。丹沢檜の根系は、水が地中に適切に豊富であるため、細根は地中広く、太根は地中深く這いわたり、1年中、そして100年間、地中の水をムラなく吸い上げてきた。これは樹木にとり生育環境が極めて良い場所であると言える。
c: 細胞形成:樹木の木部形成には、季節的変化、水量、地形などにより大きく影響を受ける。神奈川の丹沢檜を1本1本、伐採した切り口を観察すると、どれも100年間の年輪の幅はほぼ等しく、よって生育に必要な環境に恵まれていることが判断できる。
>> 檜舞台のバイオ乾燥現場
(4)バイオ乾燥材の乾燥手順
>> バイオ乾燥材の乾燥手順
(5)「檜舞台」の乾燥確認
>> 歌舞伎座檜の乾燥確認
「蒸気高温乾燥材」と「バイオ乾燥材」の比較
1)蒸気高温乾燥材
リグニンは熱に弱く、60℃前後から酸化し始め、100℃を超えると燃焼過程に入ります。よって材の強度は著しく低下し、細胞は全体的に破壊し、内部割れが顕著となり、色は黒くなり、焼けた臭いがします。これらの特徴を持つ蒸気高温乾燥材は、地震大国である日本全体の8割以上の人工乾燥材に使われています。
2)バイオ乾燥材
&size(): &size(px){Text you want to change};;){本来の乾燥には、木材が持つ強度を保つために細胞を破壊させないことが第1の条件で、次にリグニンを酸化させて変色や臭いを発生させないことが第2の条件です。バイオ乾燥材は、設定温度が地球の環境平均温度である35℃のため、細胞の破壊をさせず、リグニンを正常に維持させながら、美しい風合いを保ちます。};