蒸気高温乾燥機との比較
細胞を破壊しない35℃の木材用乾燥機
バイオ乾燥機
>> 高温・中温乾燥機の後継機
>> バイオ乾燥機と蒸気高温乾燥機の比較
バイオ乾燥機とは
1)木で木を乾燥させます。
バイオ乾燥機(上の写真)の躯体は木材で出来ています。医学技術の応用から細胞内の水(自由水と結合水)を移動させることが可能となり、ヒトの体温に近い35℃前後を熱源として木材を乾燥させます。水の移動研究の結果、35℃の環境で水が最も強く移動できるのを発見しました。
>> バイオ乾燥機
2)庫内の水蒸気が木の壁から水蒸気として放出させます。
3)水を放射方向、接線方向に移動させてしまいます。
木質壁が生材の水(水蒸気)を吸い込むと放射方向、あるいは接線方向に流れ、更に外部に放出されます。これは木質学では「あり得ない」とされていますが常識を覆しました。これは弊社代表の伊藤隼夫がパリのピエール&マリー・キューリ大学医学部にてエイズ・ワクチンの研究を行っていた時に得た技術の応用です。下の写真はバイオ乾燥機の外壁です。接線方法に、放射方向に水が移動している形跡です。
4)庫内温度は平均35℃です。
5)仕上がりの内部割れを作るのは高温乾燥機の特徴。
目視出来る内部割れは当然ですが、細胞内部の見えない細胞破壊は木材の長期保存には適しません。中温(50℃以上)、高温(80℃以上)、減圧、高周波などを使用した乾燥技術は破壊工法と言えるものであり、文化財建造物には採用されません。バイオ乾燥機では、内部割れを作ることは困難です。
>> 東大寺工事の木材の条件
6)焦げた色は高温乾燥機の特徴です。
写真(上);高温処理により、60℃前後からリグニンの酸化を招き、100℃を超すと燃焼過程に進み、写真のように黒色化します。リグニンが破壊されているため、材の強度は著しく失われています。柱材は外から内部割れ見えないから問題ないと言いますが、お施主様が建築材料を現場で確認出来たとするならば、山積みの黒色柱材を見て、是非採用して下さいとは決して言わないものです。文化財建造物は長期保存型建築であり、黒く臭いが発生する材の採用は有り得ません。しかし、地震大国の日本で建造物に採用される人工乾燥材の8割以上が高温乾燥材です。写真(下);バイオ乾燥材は35℃乾燥ですので、黒色化は大変困難です。
>> 文化財建造物の木材
7)仕上がり材に焼けた臭いがするのは高温乾燥機の特徴です。
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8)含水率を12%以下まで下げるので過乾燥と言われます。
木の含水率は、細胞破壊に到達しない限度である6%~8%が理想です。このレベルまで含水率を下げることが出来れば、木材は長期的に(100年以上)割れず、曲がらず、収縮や膨張をしなくなります。木造家屋の床には床暖房が増えました。スギやヒノキは床暖房には収縮したり割れが入るため床への普及が低い現状です。しかし、スギやヒノキの含水率が6~8%に下がれば割れず、曲がらず、収縮や膨張がなくなり、スギ・ヒノキの床材が大量普及に繋がることが予測出来ます。乾燥業界や学会では15%以下は「過乾燥」と言って、含水率は下げ過ぎるなと言われていますが、この「過乾燥」は高温乾燥材の特殊用語のようです。