長期保存技術の木製サッシ
東大寺総合文化センターの木製サッシ
木製サッシ(ドア)
大型耐震建築に採用される木製の構造材は、本来は金属以上に弾力性が高いので多くの部位に採用されるべきであるが、木質材には克服が困難と言われてきた弱点がある。カビ(微生物)や害虫(白蟻など)に弱い、割れや反り、曲がりが発生しやすい、火災に弱いことなどである。大型耐震建築にこれらの弱点が混在したならば、危険極まりない耐震建築と言える。木質材が持つこれらの弱点を克服して、金属材と同等の強度や持続性を持たせるため、木質材の全細胞に対して長期保存型の薬剤注入が不可欠である。しかし、従来型の減圧・加圧工法では薬剤注入量は大型材に対しては10分の1以下である。東大寺総合文化センターの建造には、全細胞に注入が可能であるドブ漬け工法(Dipping)が採用された。これだけの大型木質材にドブ漬け工法(Dipping)が採用されたのは世界初と思われる。以下の木製サッシや木製ルーバーにもドブ漬け工法(Dipping)が採用された。